震災後記 <震災1日目>

3月11日の震災からもう半年以上が過ぎました。
今思うとあっという間です。
ここで改めて震災当時のことを振り返ってみたいと思います。

私は林業に就いて、震災の1ヶ月半前から福島県南相馬市の原町区に
居を構えておりました。ここは福島第1原発から30Km圏内にあります。

3月11日の15時ごろ原町区の山の中で仕事をしておりましたが、
ちょうど切り出した丸太の集積作業に従事しており、数十本の丸太の山の
中腹にいました。

大きなゆれを感じて「丸太が崩れたら死ぬ」と咄嗟に思い、複雑に重なり
あった丸太の山を下に下りるのはかえって危険と判断し、頂上まで上って
中腰四つんばいの姿勢になり手足に神経を集中させて、もしも丸太が崩れた
場合に自分が一緒に落ちないように気を払っていました。

数分間突き上げるような揺れが続いていましたが、丸太は1本も崩れること
なくどうにかやり過ごすことができました。

強い揺れの数分前に近くの池が濁ったことを仲間は見ていました。

親方の判断でその日の仕事は中止して各自の家に戻りました。

私の家は大きな本箱がひとつ倒れただけで済みましたが、周囲の人は
みな部屋がめちゃくちゃになってすごかったようです。

私のアパートは国道6号よりも内陸にあり、津波の被害は全くなく、
外壁など一部が損壊した家も周りに数件ある程度でした。

その日の夜は断続的な強い揺れを感じながら、本が散乱した部屋の中で寝る
ことになりました。水道が止まったことが唯一の悩みでしたが飲料の備蓄は
あったので大きくは心配さえしていませんでした。

テレビを持っていなくて情報が入ってこなかったせいか、大きな恐怖心は
なく、「そのうち地震は収まるだろう」としか考えていなく、次の日も
仕事に行くつもりでいました。
続く揺れに不安を感じながらも、その日は就寝しました。

 

 

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