気になった事・・

今日演奏会会場で、有るお母さんがいました。年の頃は僕(42歳)の母親位かな?と思います。その人は歩く姿も軽快です。耳も遠くありません。非難所では年配な事と衣類もこんな時期だからこそ少し地味なだけです。しかしながら避難生活を始めてから悩んでいて、とても気にしている事があったのです。

それは、みんなが自分の事を年寄り扱いをし、あまりにもいたわってくれる事なのです。震災前は、奥さんや姓で呼ばれていたのに急におばあちゃん、おばあさん、と言われ自分はそんなに老けて見えるのか?年寄りくさいのか?と気になっているとの事でした。みんな震災にあうまでは自宅で花を植え家庭菜園や近所と仲良く付き合い自分の好きな服を着て生活をしていたはずです。

こんなときだからそんな事も出来ずに生活しているのです。思いやりの難しさを感じました。また非難所や被災をした人の気持ちを知りました。女性に限らず男性にも同じような事はあるのだと思いました。僕達も被災している県民として心無い言葉に苦しむ事もあります。

それと同じように同じ地域の中でも思いやりや相手を本当の意味でいたわる事を勉強したような気がしました。

日本フィルありがとう!

昨日は鹿島保険センター、今日は原町第二中学校、原町道の駅、原町第一小学校と避難生活所等を回りすばらしい演奏を聴かせてくれました。

昨日今日と天気は悪く雨。東京から新幹線で福島まで来てくれました。音楽家にとって楽器はとても大切な物です。楽器は木で出来ている為、取り扱いや湿気等には特にデリケートな物です。本来なら車で東京まで行き迎えに行くような事を今回被災地の為にと来てくれました。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの音色はすばらしく日頃聴くことが中々出来ない音色でした。

保険センターや原町第二中学校では湿気が多く音が思うように出ない中演奏をしてくださいました。道の駅ではホールの中だったので本来の音までは行かないもののすばらしい音色でした。

原町第一小学校ではまさに非難者がダンボールで仕切りをつくり生活をしている場所で、非難者の了解を得て演奏をしてもらいましたが、それまでの避難所とは違い生活感がある中での演奏だったので心なしか同じ曲の演奏でありながらとても寂しい曲に聞こえました。日本フィルの皆さんに南相馬の被災の現状、避難所の現実をしってもらいその中での演奏だっただけに楽器を通じて演奏者の想いが出たのかな・・・と感じました。

本当に移動時間が観客も少なく環境も悪い中本当にありがとうございました。

これからも福島県や被災地の人達にすばらしい音色を聴かせてつかの間の癒しを与えてください。

また南相馬市がいつか自由に出入りが出来、子供達が伸び伸びと生活が出来るようになったあかつきには、これからを担う子供達に音楽のすばらしさ、そして色々な話をする機会を作って夢を与えてください。

またお会いできる事を楽しみにしています。市民を代表してありがとうございました。